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実務の現場で実際によく起きる判断をもとに整理しています。

不動産会社のSNS運用は意味ある?反響につながる運用の考え方

「SNSを始めてみたけど、フォロワーが増えるだけで問い合わせが来ない」
「物件情報を投稿しているのに、全然反応がない」
「そもそも不動産会社がSNSをやる意味って、本当にあるの?」

もし、こんな疑問を持っているなら、それはSNS自体の問題ではありません。 反響が来ないのは「やる気」の問題でも「センス」の問題でもなく、運用の考え方が整っていないだけです。

実際、SNSを運用している不動産会社の76%が「SNS経由の反響を得たことがある」と回答しています(住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査/2023年7月公開・株式会社いえらぶGROUP調べ)。 一方で、フォロワーだけ増えて反響がゼロという会社も少なくありません。

この差は、何で生まれるのでしょうか。

本記事では、不動産会社のSNS運用が意味を持つ理由から、反響につながらないパターン、実務的な考え方まで、担当者目線で解説します。 読み終える頃には、「自分たちの運用の何が問題か」と「今日から何を変えればいいか」が明確になるはずです。

目次

不動産会社のSNS運用、意味あるの?結論から言います

結論から言います。意味はあります。ただし、やり方次第です。

よく「SNSは意味がなかった」と言う担当者がいますが、話を聞くと「物件情報だけ投稿して3ヶ月で更新が止まった」というケースがほとんどです。 これはSNSが意味ないのではなく、意味のある運用ができていなかっただけです。

SNS運用で反響を得た不動産会社は76%

いえらぶGROUPが不動産会社とエンドユーザーを対象に行った調査(住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査/2023年7月公開・株式会社いえらぶGROUP調べ)では、以下の結果が出ています。

調査項目結果
SNS運用をしている不動産会社のうち「反響を得たことがある」76.0%
部屋探しにSNSが「役立った」と回答したエンドユーザー91.4%
Z世代(26歳以下)の「今後使いたい情報収集方法」1位SNS(38.6%)

SNSで反響を得ている会社は、確実に存在します。 問題は「使うかどうか」ではなく、「どう使うか」です。

ただし、意味がない運用をしている会社も多い

同じSNSでも、効果が出る会社と出ない会社には明確な差があります。

意味のない運用の典型例

  • 物件情報だけを淡々と投稿している
  • 更新が不定期で、気づけば1ヶ月以上止まっている
  • プロフィールに問い合わせ先もリンクもない
  • 「バズること」を目標にしている

これらに心当たりがあれば、運用の設計から見直す必要があります。

不動産会社のSNS運用が意味を持つ3つの理由

「意味ある」と言われても、なぜ意味があるのかがわからなければ、運用に身が入りません。 ここでは、不動産会社がSNSに取り組む根拠を3つ整理します。

理由①|Z世代の部屋探しはSNSが情報収集の1位になっている

賃貸仲介のメイン顧客層である26歳以下のZ世代では、住まい探しの情報収集方法として「SNS」が1位(38.6%)になっています。 2位はポータルサイト(34.2%)、3位はホームページ(33.9%)。

つまり、ポータルサイトより先にSNSで物件や会社を探す世代が主流になりつつあるということです。 この層を無視して集客を語ることは、もはやできません。

理由②|競合の65%がSNSをまだ運用できていない

同調査によると、不動産会社の65%が「SNSを運用していない」と回答しています。

これは危機感を持つべき数字であると同時に、チャンスでもあります 今SNSをきちんと運用するだけで、地域内の競合に対して大きな先行優位が取れます。 「みんなやっているから差別化できない」ではなく、まだほとんどの競合が手をつけていないのが現実です。

理由③|SNSはポータルサイトが届かない「潜在層」にリーチできる

ポータルサイトにアクセスするのは、すでに引っ越しや購入を検討している顕在層だけです。

一方、SNSには「まだ具体的に動いていないけど、いつか引っ越したい」「なんとなく物件を見るのが好き」という潜在層が大勢います。 この層に対して継続的に情報を届け、信頼を積み重ねておくことで、検討が始まった瞬間に「あの不動産会社に連絡しよう」と思ってもらえるのがSNSの真の価値です。

ポータルとSNSは競合ではなく、役割が違う集客ツールです。

反響につながらない不動産会社のSNS運用、よくある3つのパターン

ここまで「SNSに意味がある理由」を見てきました。 ただし、意味があるからといって、何をやっても反響が来るわけではありません。 SNSが意味を持つかどうかは、運用の中身で決まります。

では、反響が来ない会社は何が問題なのか。よくある3つのパターンを確認してください。

パターン①|物件情報の投稿ばかりで「見てもらえない」

SNSで最もやりがちな失敗が、物件情報の垂れ流しです。

「空室情報」「新着物件」「〇〇万円・〇〇LDK」……。

これを毎日投稿しているアカウントは、フォロワーから「広告アカウント」と認識され、フォローを外されます。

SNSはショーウィンドウではなく、コミュニケーションの場です。 「この会社、面白い情報を発信しているな」「スタッフの人柄が伝わってきていいな」と感じてもらえる投稿でないと、フォロワーは増えませんし、信頼も生まれません。

パターン②|更新が続かず「幽霊アカウント」になっている

最後の投稿が3ヶ月前、というアカウントを見たとき、あなたはどう感じますか?

「この会社、まだやってるのかな」「問い合わせしても大丈夫かな」と不安になるはずです。

更新が止まったアカウントは、信頼を失うだけでなく、むしろマイナスの印象を与えます。

「毎日投稿しなければ」と気負うから続かない。 週2回でも、週1回でも、継続することのほうがはるかに重要です。

パターン③|SNSからサイトへの動線がない

どれだけ良い投稿をしても、問い合わせへの動線がなければ反響はゼロです。

よく見かける残念なパターン:

  • プロフィールに電話番号もリンクもない
  • 投稿に「詳しくはこちら」の誘導がない
  • リンク先のサイトがスマホで見づらい

SNSでの投稿は「入口」に過ぎません。 入口に来た人を問い合わせまで連れていく動線が整っていなければ、投稿の努力は水の泡です。

不動産会社のSNS運用で反響につながる考え方

失敗パターンがわかったところで、では「どう考えればいいか」を整理します。

多くの記事では「どのSNSを使うか」の話ばかり取り上げられますが、ツールより先に考え方を整えることが重要です。

考え方①|SNSの役割を「集客」ではなく「信頼形成」と定義する

SNSから直接問い合わせが来ることは、実はそれほど多くありません。 SNSの本当の役割は、「この会社に頼みたい」と思ってもらうための信頼の積み重ねです。

不動産は人生の大きな決断が絡む商材です。 お客さんはポータルで物件を探しながら、同時にSNSで「どの会社を信頼できるか」を確認しています。 SNSで好印象を持ってもらったうえで、ポータルや検索から問い合わせが来る。

SNSとポータルは、この流れで組み合わせて使うものです。

ツール主な役割
ポータルサイト顕在層への即時リーチ(今すぐ探している人)
SNS潜在層への信頼形成(いつか動く人への接点)
自社サイト問い合わせの受け皿・信頼の証明

考え方②|「投稿の目的」を先に決める

「とりあえずInstagramを始めよう」という状態で運用をスタートすると、何を投稿すればいいかわからなくなり、すぐに止まります。

投稿を始める前に、まず目的を決めてください。

目的の例

  • フォロワーを増やして認知を広げたい
  • 地域の人に「あの不動産会社」と覚えてもらいたい
  • SNS経由でサイトへの流入を増やしたい

目的が決まれば、投稿内容・頻度・測定指標がすべて決まります。 目的なき投稿は、労力だけかかって成果につながりません。

考え方③|「会社らしさ」を出すコンテンツが反響につながる

大手ポータルサイトには絶対にできないことがあります。 それは、スタッフの人柄・地域への愛着・会社の雰囲気を伝えることです。

小規模な不動産会社こそ、この「人間味」が最大の武器になります。

反響につながりやすいコンテンツの例

  • スタッフが地域のおすすめスポットを紹介する投稿
  • 「よくある質問」に担当者が答える短い動画
  • お客さんのエピソード(許可を取ったうえで)を紹介する投稿
  • 物件の「ここが好き」をスタッフ目線で語る投稿

「おしゃれな写真でなければ」「バズる動画でなければ」という思い込みは捨ててください。 誠実に、継続的に、自社らしさを発信することが、長期的な反響につながります。

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不動産会社のSNS運用で反響を増やす実務ポイント

考え方が整ったら、次は実務に落とし込みます。 すぐに実行できる3つのポイントを紹介します。

実務①|プロフィール欄に「問い合わせ先」を必ず入れる

SNSで最初に整備すべきは、プロフィール欄です。 投稿の質より先に、ここを整えてください。

プロフィールに必ず入れるもの

  • 会社名・所在地・対応エリア
  • 電話番号またはLINE公式アカウントへのリンク
  • 自社サイトへのURL
  • 一言でわかる自社の強み(「地域密着20年」「賃貸専門」など)

プロフィールが空白のまま投稿しても、問い合わせには絶対につながりません。

実務②|投稿は「8:2の法則」で構成する

投稿内容のバランスは、有益情報8:告知・宣伝2を目安にしてください。

割合内容の例
80%(有益情報)地域情報・住まいの豆知識・スタッフ紹介・Q&A
20%(告知・宣伝)新着物件・キャンペーン・問い合わせ誘導

物件情報ばかり投稿する「広告アカウント」から、「このアカウントをフォローしておくと役に立つ」と思ってもらえるアカウントに変えることが目標です。

実務③|SNS→自社サイトへの動線を整える

SNSで信頼を積み重ねたあと、問い合わせはほぼ自社サイト経由で来ます。 そのため、SNSから自社サイトへの動線を整えることが必須です。

動線のチェックリスト

  • プロフィールに自社サイトのURLが入っているか
  • 投稿の末尾に「詳しくはプロフィールのリンクから」の一文があるか
  • リンク先のサイトがスマホで快適に見られるか
  • サイトに問い合わせフォームまたは電話ボタンがあるか

不動産会社がSNS運用を始めるなら、まず何から?

「やるべきことはわかった。でも何から始めればいいか」という方へ、最初の動き方を整理します。

まず1つのSNSに絞る(Instagram推奨の理由)

SNSは「全部やろう」とすると、確実に続きません。 まず1つに絞ってください。

不動産会社におすすめのSNS選び

SNS向いているケース
Instagram20〜40代のファミリー層・女性向け・賃貸&売買両方に有効
TikTok10〜20代の単身者向け・賃貸メイン
YouTubeルームツアーや解説動画を継続できる体制がある場合
X(旧Twitter)情報拡散・地域コミュニティとの交流を狙う場合

最初の1媒体としては、Instagramが最もバランスが良くおすすめです。 写真・動画・ストーリーズ・リールと投稿の形式が豊富で、不動産のビジュアル訴求との相性が抜群です。

最初の1ヶ月でやること

1ヶ月目は「完璧な投稿」より「習慣化」を最優先にしてください。

最初の1ヶ月のタスク

  • プロフィールを整備する(会社情報・リンク・一言説明)
  • 週2回の投稿を固定曜日で設定する(例:火・金)
  • 投稿テンプレートを3パターン用意する
  • 自社サイトへの動線を確認・修正する

最初の1ヶ月は、まずこれだけで十分です。 「完璧な投稿を月1回」より「60点の投稿を週2回」のほうが、SNSでは圧倒的に効果が出ます。

まとめ|SNS運用の意味は「やるかどうか」ではなく「どうやるか」で決まる

「不動産会社のSNS運用に意味があるか」という問いへの答えは、シンプルです。 やり方が正しければ、意味がある。やり方が間違っていれば、意味はない。

SNS運用で反響を得ている会社は、ツールの選択より前に「信頼形成のための手段」としてSNSを位置づけています。 物件情報を垂れ流すのではなく、地域に根ざした情報・スタッフの人柄・暮らしのヒントを継続的に発信し、ポータルでは届かない潜在層との接点を積み重ねている。

その積み重ねが、「問い合わせするならあの会社」という評価につながります。

SNSで反響を増やすために必要なのは、センスでも予算でもありません。 正しい考え方と、続けられる仕組みだけです。

まずは今日、自社のSNSプロフィールを開いて、問い合わせ先とサイトのURLが入っているか確認するところから始めてみてください。 その一歩が、反響につながる運用への入口です。

もし「運用の仕組みを一から整えたい」「どこから手をつければいいかわからない」と感じているなら、ぜひ弊社にご相談ください。 貴社の状況に合わせて、続けられるSNS運用の設計をご提案します。

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実務レベルでどう整理すべきかの相談もお受けしています。

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